鉄炭だんご 1年経過
広島西部ロハスの会のでは漁民の森づくりとし漁師さんと
山に植林をする活動をしています。
山の恩恵を海にももたらしたいと、昨年から実験的に
ヘドロ化した浜を再生する試みとして鉄炭だんごを
撒きました。その経過報告です。
降りしきる雨を気にしながら地御前の浜に漁協の
関係者そしてロハスの会のメンバー9人が集まり
調査開始2009年6月に設置した鉄炭だんごが
丸一年を向えました。
その成果はいかがな事になったでしょう。
昨年のヘドロの量と比べるとはるかに減っています
鉄炭だんご 設置1年
思いだしますが、昨年は道路の上から撒く予定でした。
TV取材の依頼でヘドロが堆積した悪臭が漂う場所に
降りて鉄炭だんごを撒きました。海から上がった時には
長靴が臭くて臭くて、ご近所の方が水道水で洗い流して
いただいたほどでしたが、なんと劇的に匂いがしないのです。
表面の色も砂地化したのかヘドロの黒い泥から微妙に
茶褐色に変色していました。
参加していただいた中に地学が専門の方がおられ、
「微生物が少ない中で表面の土が2cmも変色する事は
劇的な変化!」だと言われました。
たしかに昨年の表面とは桁違いに改善しています。
しかし、土を掘り起こすと昨年と同じヘドロの悪臭がします。
徐々に、ゆっくりと変化が目視できます。
黒田組合長は「長い時間かけて悪くなったので、
ゆっくりじっくりと効果が出る方がいいのではないか。
即効性を期待していろいろ試したがどれも一瞬の効果で
長続きしない。鉄炭だんごはその反対だから信用できる。」
なるほど漢方薬のようにじっくり効くのが鉄炭だんごかもしれない。
1年間投げ込まれた鉄炭だんごには地御前港ならではの
光景として、牡蠣の子が付いたりフジつぼが付いていました。
鉄炭だんごはそんなに風化はしていないようです。
酸化と還元の繰り返しで微量に溶け出しているのです。
そして場所を変えて人工干潟のカキ棚に移動すると浜一面が
アオサに覆われている。
相変わらずのアオサの量にはびっくり!
アオサの隙間からワタリガニが現れてきました。
とても可愛いカニの出現に何かいい予感がします。
掘り起こした土が臭くないのです。
これこそ劇的です!!
そして写真で分かりにくいかもしれませんが、
ゴカイやイトミミズが大量にいるのです。
土も砂地が混ざったような感じです。
このイトミミズがヘドロの浜を浄化してくれています。
泥を取り込み、有機物を吸収し便を排出その作業が
ヘドロを砂地化させているのです。
鉄炭だんごを撒いていない泥と比べていただくと
分かりやすい。
オマケですが。黒田組合長に新しい事を教わりました。
この海草の塊がなんと フノリ 昔はこの海草を
煮込み糊を作っていたそうです。
私も天然素材のフノリを使った事はあるのですが、
これが原料とは知りませんでした。
さあ~来年はどんなにこの浜が変化しているか
楽しみです。
アサリが豊富な豊穣の海は訪れるのでしょうか?
御期待下さい。
広島西部ロハスの会代表 永本清三