森・川・海はひとつ

2014年、広島市北部で大規模な土砂災害が起こりました。市内で記録的集中豪雨が起こり、同時多発的に大規模な土石流が発生し、甚大な被害をもたらしました。
そしてその記憶がまだ新しい2018年に起こった「広島豪雨災害」。

過去には「1999年6月の県西部の豪雨災害」「2004年9月の県北部の台風18号による被害」と、広島では豪雨や台風による災害が相次いでいます。

 

なぜ、こんなにも災害が度重なるのか?その答えは、実は山にあるのです。

かつて日本は戦後の木材需要の増加から、杉や桧といった針葉樹の植林を国策として打ち出しました。その結果現在の日本の森林は約4割が人工林にのぼります。本来人工林は、植林し、育て、伐採して使い、また植えるというサイクルを守ることで、林業として今日まで受け継がれてきました。ところが現在では安価な外国産材の需要が高くなり、林業は衰退の一途をたどっています。

林業をする人がいなくなり、手入れ(間伐)されない人工林は、山に様々な負担を与えています。森林の中の木の密度が高いため、密集する葉に遮られて日の光が森林の中に入らない。その結果、下草が生えず、土壌がむき出しとなり、雨水を浸透しにくくなる。本来の森林が持つ保水力を低下させてしまったのです。保水力を失った森林は、豪雨には耐えられずに土砂を流出させ、山そのものを崩壊させる現象を引き起こします。そうした影響が近年の土砂災害を引き起こす要因になっているのです。

本来、山と海は川の中を流れる水と土砂でつながっています。保水力を失った森林や、川の上流部に災害を防ぐための砂防堰堤やダムがたくさん作られたことにより、山から海への土砂の供給量のバランスが崩れます。山の養分が海に注がれにくくなるので、海の中の栄養分も減少してきています。つまり、山の管理をおこたり、荒れたままにしておくことは、山のみならず川や地域、海をももろくしているのです。

 

広島西部ロハスの会 活動のきっかけ

1999年の土砂災害の直後、地元の漁業関係者は悲鳴を上げていました。広島県の牡蠣の水揚げ量は日本一で、国内の水揚げのおよそ63%を占めています。しかし、土砂災害の影響は海にまで及び、その年の廿日市市付近の海は、災害で流れ出た土砂により茶色に濁り、流木が大量に流れ着いたのです。漁に出られない、牡蠣養殖への被害が心配されました。

そこで、”海を綺麗にしたい”漁業関係者の方と、”地元の山を育て林業を復活させたい”林業関係者の方とともに、地域の環境を守るための「漁民の森づくり運動」を、2006年2月に立ち上げました。定期的な山の手入れや海の掃除活動を行う他、毎年10月に「廿日市漁民の森づくり」イベントを開催し、地元の山で地域の方や学生・子どもたちと一緒に植林活動を行い、自然の大切さや自分達の暮らす地域の環境を守ることの重要性を伝えています。

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