林業、漁業、地域が一緒になって植林活動や環境整備などを行います

「広島西部ロハスの会」は2006年、「自分・家族をはじめ、周りにいる人たちが〝ココロと体が健康で心地よい暮らし〟ができる環境を作ること」を目的にし、そのことが廿日市の活性化により結びつく活動になるよう、はじめの一歩を踏み出しました。

活動のはじまり

広島県で1999年に起きた「6.29豪雨災害」の直後、地元の漁業関係者は悲鳴を上げていました。
災害で流れ出た土砂の影響は海にまで及び、海水は茶色に濁り、流木が大量に流れ着いたのです。

広島県の牡蠣の水揚げ量は日本一で、国内の水揚げのおよそ63%を占めていましたが、漁に出られず養殖への被害が心配される日々が続きました。

このことがきっかけとなり、2006年2月、『海を綺麗にしたい漁業関係者』と『地元の山で林業を復活させたい林業関係者』がタッグを組み、地域の環境を守るための「漁民の森づくり運動」を立ち上げることとなりました。

どうして山に木を植えるの?

放置された森林は土砂災害の要因に

戦後の植林政策により、今日、杉や桧の人工林は日本の森林の約4割にのぼります。
人工林は「植林し、育て、伐採して使い、また植える」というサイクルを守ることで、林業としての機能を果たしてきました。

ところが、安価な外国産木材の需要が高くなり、日本の林業は著しく衰退することとなりました。
手入れ(間伐)されない人工林は、木の密度が高く地面まで日光が届かず、下草が生えずに土壌がむき出しとなり、雨水が浸透しにくくなります。保水力を失った森林は、豪雨に耐えられず土砂を流出させ、山そのものを崩壊させる現象を引き起こします。

放置林は、私たちの住環境に様々な負担を与えることにもなっているのです。

森・川・海はひとつ

山と海は川の中を流れる水と土砂でつながっています。

森林が保水力を失ったこと、そして川の上流部に災害を防ぐための砂防堰堤やダムがたくさん作られたことにより、山から海への土砂の供給バランスが崩れています。
山の養分が海に注がれにくくなり、海の中の栄養分も減少してきています。

山の管理をおこたり、荒れたままにしておくことは、山のみならず川や地域、海をももろくしているのです。

できることから、廿日市へ、地球へ

広島西部ロハスの会では、「できることからはじめよう」をコンセプトに、自然循環を考えた環境改善・環境教育をすすめています。
2006年に開催された『第1回はつかいち漁民の森づくり』から16年、毎年10月にこのイベント開催を継続しています。

海側(漁業)目線では、海の水質浄化と水産資源増殖を目標として。山側(林業)目線では、木材の価値を高め、地域の活性化につながる循環型産業の提案を目標として。そして地域目線では、地域の健全な環境維持と、環境を大切にするこれからの担い手を育てることを目標としています。